ページ更新日:2026/05/02
CA/Bフォーラム(CA/Browser Forum)は、SSL証明書の発行基準・セキュリティ要件を策定するSSL業界の標準化団体です。
認証局(CA)とブラウザベンダーが共同で参加し、ユーザーが安全にインターネットを利用できるよう、証明書に関するルールを継続的に改定しています。
SSL証明書の有効期限短縮・DCV要件の変化・新しいセキュリティ要件のほとんどはCA/Bフォーラムの決議が起点となっています。
CA/Bフォーラムは2005年に設立されたボランタリー(任意参加)の業界団体です。「Certificate Authority / Browser Forum」の略で、SSL/TLS証明書の発行・管理基準を定めるBaseline Requirements(ベースライン要件)などの文書を策定・改定しています。
CA/Bフォーラムが定めたルールは、ブラウザのルートプログラム(証明書ストア)への参加条件とほぼ連動しています。認証局がChromeやFirefoxなどのブラウザに「信頼された認証局」として認定され続けるには、これらのルールに従う必要があります。
| 種別 | 主な参加者 |
| 認証局(CA) | DigiCert(デジサート)、Sectigo、GlobalSign、Entrust、SECOM、サイバートラストなど |
| ブラウザベンダー | Google(Chrome)、Mozilla(Firefox)、Apple(Safari)、Microsoft(Edge)など |
| その他 | ルートプログラムを運営するOS・プラットフォームベンダー |
※ CA/Bフォーラムへの参加は任意ですが、主要認証局・ブラウザはほぼすべて参加しています。
CA/Bフォーラムが策定する文書のうち最も重要なのが、Baseline Requirements(BR)です。TLS証明書の発行・管理に関する最低基準を定めています。
CA/Bフォーラムのルール変更は「Ballot(バロット)」と呼ばれる投票プロセスで決定されます。
※ Ballotの結果はCA/Bフォーラムの公式ウェブサイト(cabforum.org)で公開されており、SSL業界のニュースとして広く報道されます。
| 決議内容 | 実施時期 | 影響 |
| SSL証明書の有効期限を最大398日(約13ヵ月)に短縮 | 2020年9月〜 | 2年以上の証明書が廃止。証明書更新頻度が増加 |
| コードサイニング証明書のUSBトークン義務化 | 2023年6月〜 | ソフトウェア開発者はHSMまたはUSBトークンが必要に |
| MPIC(複数視点からのDCV確認)の義務化 | 2025年9月〜 | ルーティングハイジャックを悪用した不正証明書取得への対策強化 |
| DCV再利用期間の短縮(398日→段階的に10日へ) | 2026年〜順次 | ドメイン確認の再実施頻度が大幅に増加。自動化(ACME)の導入が実質必須に |
| SSL証明書の有効期限を最大47日程度に短縮 | 2026年〜段階的 | 手動更新が現実的に困難に。ACMEプロトコルによる自動更新が強く推奨される |
| EV・OV証明書の組織認証再利用期間の短縮 | 2026年〜 | OV/EV証明書更新時の再審査頻度が増加 |
CA/Bフォーラムのルールは業界の「最低基準」です。ブラウザベンダーはこれに加え、独自のルートプログラムポリシーを設けることがあります。
このため、CA/Bフォーラムで可決されたルールよりも、個々のブラウザが先行して厳しい要件を打ち出す場合があります。特にGoogle Chromeは業界動向を先導することが多く、そのポリシー変更はSSL業界全体に大きな影響を与えます。
CA/Bフォーラムが証明書の有効期限を繰り返し短縮してきた背景には、次の考え方があります。
※ 2026年以降の有効期限47日短縮については SSL証明書の有効期限が「47日」へ短縮されます・SSL証明書の自動更新・自動発行(ACME) も参照してください。
関連ページ:
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DCV(ドメイン所有権確認)の方法:DNS・ファイル・メール認証の違いと手順
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